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藤森照信 読み継ぐべきこの3冊

戦後の日本建築史の基盤をつくった通史の決定版!

Vol.1 日本建築史序説 増補第三版

日本建築史序説は最初は薄いものでした。太田先生が、戦争中に書き上げて、戦後出版、今にいたるまで増補を繰り返しています。
日本建築史で大事なのは、時代区分と、何の建築を取り上げるか。奈良時代や飛鳥時代などの区分は最初からあったわけではありません。また、それらの建築の識別と何を選ぶかを決めるのは大変なこと。太田先生がつくった座標のうえで我々は日本の建築を考えているんです。通史は一度書かれたら超えることはできないし、代わる本がないから、どんどん厚くなる。また、文章が簡潔なのですが、志賀直哉の文章に学んだとおっしゃっていて、そうした通史にふさわしい文体で書かれています。日本で出された建築関係の本で、この本以上に読み継がれている本はないと思います。
日本建築史序説 増補第三版
日本建築史の概説書として60年以上親しまれている名著。「Ⅰ 日本建築の特質」「Ⅱ 日本建築史序説」、そして最後に資料編として「Ⅲ 日本建築史の文献」と続く3章立て。平易な文章でつづられ、一般の人でも読みやすい。
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Vol.2 日本建築史図集 新訂第三版

この本を含め、彰国社では4冊の図集(日本、西洋、近代、東洋)が出ていますが、世界的にも類書がなく貴重です。写真と解説と平面図が載っていて解説も専門的。参考文献もある。日本人は世界のことを調べているんですね。そういう本はヨーロッパなどにはなく、自分の国だけに偏ってしまう。写真も、今では取れないような貴重なものもあるし、図面もつくろうと思ったら大変。世界のありとあらゆる建築についての基本的な辞書を彰国社がつくったと考えています。僕は何冊も持っていて、今でもしょっちゅう見てる。よく見慣れたものも、気がつくことがあるし、飽きない。文章を書くときはこれで確かめます。大抵みんな、どこかでこの本を見ていると思います。この本なしに建築を考えることはできないんじゃないかな。
日本建築史図集 新訂第三版
定番教材である日本建築史図集の最新版。
図版頁は、古代から近世まで細かく分かれ、各頁、写真・図版を豊富に入れて、資料性を高めている。
図版頁の最後では15頁分を使い、細部意匠と建築技術についてもまとめている。
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Vol.3 日本の都市空間

日本には、この本が出るまで、「建築と建築のあいだにあるようなもの」を示す言葉がなかったのですが、それを「都市空間」として定義したのがこの本です。 ヨーロッパには広場があったので、都市空間という概念は早く成立しました。建物で囲まれた場所が社会的にも建築の造形についても重要な意味をもっています。日本は広場がないから都市空間という概念が生まれづらい。そういうなかで、丹下健三さんや、歴史家としては伊藤ていじさん、磯崎新さんなど建築と建築のあいだに発生している空間、視覚的印象の問題をちゃんと正面から取り組もうということで出した。これ以降ずっと都市空間への関心は、宮脇檀さんや、伊藤ていじさん、陣内秀信さんなどの研究につながっている。研究の始点になる大事な本だと思います。
日本の都市空間
西欧の蓄積のみを追求してきた都市空間の造形に対し、我が国の伝統的な都市空間の形成を再評価し、その現代的な意義と方向づけを行なった労作。日本の都市の成り立ちを考えるうえで必読のロングセラー。
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